
───医学で死の国を救えるか?
──「病むこと」は、罪じゃない。
光の大陸アルセリオ、死者の絶えない〝死の国〟ヴェルティ。
命を奪い、心を蝕む〝病魔〟が蔓延するこの国で、
若き青年の医師・ルミエールと、
ポーカーフェイスな凄腕ドクター・クレマリーは、
人の命と心を救うために闘っている。
自殺。自傷。精神疾患。仕事。部活。トラブル。
現代に通じる〝心の不調〟を、
幻想とリアルな医療で描き出す医療×異世界ファンタジー!
「死にたい」と願う患者達に、医師達はどう寄り添えるのか。
「救う」とは何か。「赦す」とは何か。
病と生に向き合う者達が紡ぐ、救済の物語。
これは、ほかならぬあなたへ捧げる、小さな処方箋。
本編小説
NOVEL DAYSにて本編を掲載しています。
本作には医療の描写を含みますが、作者は医療従事者ではありません。
現実の医療と異なる場合がありますのでご注意ください。
Story
Chapter000:████████
Prologue:私が夢見た救済劇
〝光の大陸〟アルセリオに属する国家ヴェルティは、〝死の国〟として巷を騒がせていた。死者の絶えないこの国を救うべく、医学を修める者達は奮闘していた。
そんな中、医学界に名を馳せた隣国リューデンの医師──リズベルト・ゴッドフレイが亡くなってしまう。病気?事故?否……彼は殺されたのだ。ヴェルティを死の国たらしめる病魔…〈スアサイダル〉の手によって。
彼の弟子である医師・クレマリーは立ち上がる。
さぁ、始めよう。これは人類と死神の生存を賭けた救済劇。
Karte01:聖戦の幕開け
ヴェルティ国立中央病院で研修を終えたばかりの新人整形外科医・ルミエールは突如として乗り込んできた異国の医師・クレマリーの上司になる羽目に。
どうして自分がこんな使命を?一体何がどうなって…!?
混乱するルミエールのもとに運ばれてきた患者ドロシーは、ヴェルティを死の国たらしめている元凶の病魔〈スアサイダル〉に感染していた。
果たしてルミエールは病魔を退ける救世主となれるのか?
Karte02:出動・EFMAT
まだ自身に課せられた使命を受け入れる事が出来ず嘆くルミエール。そんな彼に声をかけたのは、ベテラン脳外科医のオリヴィエだった。
彼によって紹介された〈スアサイダル症候群〉の専門チーム……「緊急現場医療班」通称〈EFMAT〉。
初めての出動で彼等が向き合うのは、厳しすぎる部活で心をすり減らせた少年・テオを巡る問題で──。
Karte03:救命、
天秤にかける事勿れ
検査のために入院してきた子供・アドリアーノは性同一性障害を抱えていた。そんな彼女のストレスを取り払うべく、看護師長のローザは彼女と共に「可愛い洋服」を買いに行く事に。
しかし、そのショッピングの最中、ローザとアドリアーノは立てこもり事件に巻き込まれてしまい……!?
Karte04:全ては幸せを掴む為に
精神科閉鎖病棟に入院することになった摂食障害の少女・カトリーヌ。彼女を救おうと奮闘するルミエールだったが、「生きたいと思っていないのに生かそうとする、そんなエゴを押し付けないで!」と拒絶されてしまう。
自分の行いは正しいのか? ……そう悩むルミエールにクレマリーが語る、自らの過去。管理栄養士の千鶴と共に、カトリーヌに…そして彼女の抱える病に向き合う事を決意するルミエールだったが、そこで彼女を蝕む〈スアサイダル症候群〉が発症。長 時間のオペに耐えられる体ではない患者を、果たして救えるのか──?
Karte05:白い悪魔、黒い天使
心臓疾患であるWPW症候群を抱えて入院していた少年・シャルルは退院後、林間学校に行く事になっていた。だが、バスの車内で運転手の男性・ダミアンの容態が急変し──。
出動した〈EFMAT〉だが、大人数の重症患者を眼前にして処置が間に合わない。ルミエール達は死者を出すことなく命を守れるのか!?
Karte06:真実を閉ざすパンドラ
──真実とは、いつも歪な姿をしている。
拳銃による外傷で搬送されてきた二人の男性。《スアサイダル症候群〉感染が判明したのはそのうちの片方、統合失調症持ちの患者・ディディエだった。同じく重傷を負った患者であり刑事のモーント、彼の相棒のマエル、ディディエとその婚約者ゾネ。……果たして、殺人未遂を引き起こした犯人は誰だ?
Karte07:始まりの地と甘い毒
医学会からの出動要請を受け戦地セレーネアに出動した〈EFMAT〉。そこで出会ったのは、怪我を負っていても治療されていない敵国の子供「イグナリス」だった。
イグナリスを取りまとめる孤児院のシスター「マム」と再会を果たした看護師の鈴麗。だが彼女の瞳は、怒りに燃えていた──。
明かされる、フェネールとヴェルティの溝の歴史。
見え隠れする唯一神リベルルキナの影。
一同が導き出した答えとは、いかに。
